2016年9月27日火曜日

2016年度ポケットゼミを行いました

 9月13日からポケットゼミ(研究室配属前の学生が、研究室に行き、その研究テーマに沿ったミニ研究を行うという授業外プログラム。)が始まりました。今年は食品1年の小野さんと梶原さんの2人が参加し、約1週間研究することになりました。

 小野さんと梶原さんは自分で考えたオリジナルのGAM寒天培地を作成し、その培地に腸内細菌を培養しました。

納豆を含むGAM寒天培地を作成する小野さん(の手)。
納豆をミキサーにかけて粉砕しています。

嫌気チャンバー内で腸内細菌を培養している梶原さん。


 2人が作製したオリジナル寒天培地に菌が生育していることを確認できました。



細菌(白い粒、コロニーと呼びます。)が生育しているオクラを含むGAM寒天培地。


細菌のコロニーが生育しているチアシードを含むGAM寒天培地。

今後は生育した菌の種類を同定していきます。どんな菌が生育しているか楽しみですね。

2016年9月20日火曜日

4年生の太田君、大学院入試に合格!

 学部4年生の太田君が平成29年度の石川県立大学大学院修士課程の一般入試を受験し、見事合格しました。一般入試では英語TOEICと専門科目のテスト、面接の結果によって合否が決まります。

 試験を合格した後の太田君の感想は「これから研究を続けることができるので、一安心した。特に専門科目のテストは生物学の幅広い部分が出題範囲だったので、勉強が大変だった。しかし、大学3年間の授業を復習できたので良かった。」でした。


入試合格後、早速実験データをまとめる太田君



 太田君の今後の抱負は「大学院2年間で研究を進めて成果を出し、腸内細菌や酵素に関する知識を更に身につけたい。」です。太田君、おめでとうございます!今後も頑張ってください。

2016年9月13日火曜日

大臣

 私たちの研究室には「大臣制度」というものがあります。「大臣制度」とは、研究室の実験機器や居室の設備ごとに責任を負う人が決められている制度のことです。具体的には、大臣は「担当している実験機器が故障したら修理する。(あるいは修理の手配をする。)」「担当している実験機器や居室の設備をきれいに保つために定期的に掃除をする」などの仕事をすることで、担当の機器や設備を管理します。

私・奈良は9つの機器や設備等の大臣の仕事を任されています。先日、そのうちの「実験で使用する道具を置く棚」(写真1)の整頓を行いました。

写真1:私が担当する実験室にある棚。(整頓前)



写真1の棚の下から3番目の段を見ると分かるように、物と物が上と下、手前と奥に重なって置いてあるので、下にある物や奥にある物が取り出しづらい状態になっていました。
 そこで新たな棚を1つ購入し、1つの棚に置いてあった物を2つの棚に分けて置くようにしました。この結果、物を取り出しやすくなり、実験がスムーズにできるようになりました。


写真2:整頓後の棚①



写真3:整頓後の棚②




この制度のおかげで、研究室や居室が清潔に保たれています。また機器が故障しても大臣が即座に対応してくれるようになっています。常に研究しやすい環境を整えることができるこの制度を私はとても気に入っています。

2016年9月6日火曜日

文献紹介セミナー

 9月6日(火)の文献紹介セミナーで私・奈良が発表を行いました。私は2016年5月にNature誌で報告された「腸内細菌同士の協力関係」について明らかにした論文を紹介しました。

 この論文で私が最も面白いと思った部分は、腸内細菌Bと腸内細菌Aが共存する条件下で、それぞれの腸内細菌が相手から利益を得ることを実験で示したところです。
 腸内細菌Bは腸内細菌Aによって細かく分解されたあるエサを利用できます。腸内細菌Bは腸内細菌Aから利益を得ていることになります。ちなみに、腸内細菌Aはこのエサを細かくしても自分の利益にならない(生育にプラスにならない)ことがこの論文で示されています。
 さて、腸内細菌Aを遺伝子操作してこのエサを分解できなくすると、腸内細菌Bは腸内細菌Aから利益を得られなくなります。このことが腸内細菌AとBの間の関係にどのような影響を与えるかを調べるために以下のような実験をしています。
 腸内細菌A(腸内細菌Bのためにエサを分解出来る株)と、腸内細菌Aの遺伝子操作株(腸内細菌Bのためにエサを分解出来ない株)を混ぜて培養したところに、腸内細菌Bを入れると、腸内細菌Aの遺伝子操作株(腸内細菌Bのためにエサを分解出来ない株)が減少して、腸内細菌A(腸内細菌Bのためにエサを分解出来る株)が増加しました。このことは、腸内細菌Bが自分にエサを与えてくれる腸内細菌Aだけに何か良いことをしていることを伺わせる結果で、腸内細菌Aと腸内細菌Bは相互に利益を与え合う関係を持つことを推測させます。

 今回の文献紹介は私にとって5回目の発表でしたが、満足のいく発表ができませんでした。英語で書かれた論文を読み、スライドにまとめている間は研究内容について理解しているつもりでした。しかし研究室メンバーから出た質問に答えながら発表していくと、答えられないところが多く、悔しかったです。論文に書いてあることを鵜呑みにせずに、「なぜ論文の筆者はこの実験を行ったのか」と疑問に思いながら論文を読まなければならないと痛感しました。

 私が文献紹介できるチャンスはあと1回しかありません。最後の文献紹介では満足のいく発表ができるよう、「自分の頭で考えながら論文読む」ことを意識しようと思います!

2016年8月30日火曜日

研究員の杉山友太さんの論文が「Glycobiology」に受理されました。

 2016年8月22日に研究員の杉山友太さんの論文が学術雑誌「Glycobiology」に受理(複数の研究者による覆面審査の末、掲載が許可されること)されました。この論文では人と腸内細菌との共生に重要である糖鎖構造を高効率で合成できる酵素(1,2-α-L-fucosynthase)の作出に成功したことと、この酵素利用してH抗原と呼ばれる糖鎖を糖タンパクへ導入する反応に成功したことが報告されています。

 杉山さんの感想は「この研究では、実験で使用するために必要な酵素を大量に精製・分取することが難しかった。ファーストオーサー(実験と論文執筆を主に行った人)として初めて論文を発表することができたので嬉しい!」でした。

 この論文を含め、これまでに研究室メンバーの名前の入った論文を15報、発表することができまし た。



このように研究室メンバーが入った論文はすべて居室のドアに掲示しています。
杉山さんの論文も雑誌に掲載する形式ができ次第、ここに掲示します。



 毎日このドアに掲示されている論文を見ると、研究に対するモチベーションがアップします。私・奈良にとってこの研究室で研究できる期間があと半年しかありませんが、私も学術雑誌に掲載できるようなデータをたくさん出したいと思います。

 杉山さん、本当におめでとうございます!

2016年8月23日火曜日

京都大学大学院農学研究科 応用微生物学講座 発酵生理及び醸造学研究室の方々が共同研究に来られました。

 82日から4日に京都大学大学院農学研究科 応用微生物学講座 発酵生理及び醸造学研究室の岸野重信先生、修士2年の渡邊寛子さん、修士1年の森川拓磨さんが共同実験をするために腸内細菌共生機構学研究室に来られました。


発酵生理及び醸造学研究室の方々はさまざまな種類の培地が入った21枚の96穴プレートに65種類の腸内細菌を培養し、生育の度合い(濁度)を測定しました。21枚分のプレートでそのような操作を行うことはもちろん大変ですが、さらに今回の実験では、固体を含む液体培地を使用していたため、通常私が使用する液体のみの培地に比べプレートへの分注作業に苦戦したようでした。


実験方法についてメモを取る渡邊さん。
 
 発酵生理及び醸造学研究室の学生のお二人は今まで96穴プレートやマルチチャンネルピペットマンを用いた実験をしたことがありませんでした。実験後に渡邊さんは、「もっとしっかりとイメージトレーニングを行ってから実験すれば効率よく作業できたかもしれない。」
森川さんは「一度に複数の穴への培地の分注や濁度測定を可能にするマルチチャンネルピペットマンや96穴プレートなどを用いても、21枚のプレートを用いた実験は大変だった。でも今回の実験を通してそれらの器具の使用方法を学べて良かった。」と話していました。


嫌気チャンバー内で実験をしている森川さん。


 また、83日の夜には、「和食処 山ごぼうに行き、懇親会を行いました。「山ごぼう」では石川県のお酒や郷土料理を楽しむことができました。その中でも特に岸野先生は日本酒「手取川」をお気に召したようでした。


話が盛り上がり、終始笑いの絶えない懇親会になりました。



 発酵生理及び醸造学研究室の方々、3日間お疲れ様でした。

2016年8月16日火曜日

学部4年の平野さんと前田君が平成29年度の石川県立大学大学院修士課程の推薦入試を受験し、見事合格しました。

 学部4年生の平野さんと前田君が石川県立大学大学院修士課程の推薦入試を受験しました。この大学院推薦入試は一般の入試よりも約1か月早く行われます。
 
 7月30日(土)には試験科目の一つの「個人面接」が行われ、2人はそれぞれの研究内容を説明し、面接官(応用生命科学専攻の先生方)からの質問に答えました。同じ研究室以外の人に研究内容を説明することは2人にとって初めての経験でした。そのため面接の前日も、研究室の先生や研究員、学生を相手に何度も練習をして、「相手に分かりやすく説明する力」を身につけていました。

 面接後の平野さんの感想は「面接練習では、自分が思っていることを伝えることに苦戦したが、本番では、相手に伝わっているか確認するために面接官の表情を伺いながら、話すことができたので良かった。」、前田君の感想は「面接前はかなり緊張したが、面接官の笑顔を見たら緊張がほぐれた。暗記した内容を棒読みで話すのではなく、抑揚をつけて話すことができた。」でした。
 2人とも良い発表ができたと満足していましたが、改善点も見つけたらしく、平野さんの改善点は「質問に対する的確な答えをすること」、前田君の改善点は「研究内容に関する知識を身につけること」でした。



面接後の平野さん(左)と前田君(右)。
面接後なので緊張がほぐれ、2人とも晴れやかな表情です。









 8月12日に推薦入試の結果発表があり、2人とも推薦入試に合格していることが分かりました。2人ともおめでとうございます!



合格者の受験番号が表示された掲示板の前での写真。
自分の受験番号を見つけて2人とも安堵していました。
推薦入試合格者4名中2名が私たちの研究室のメンバーです。




 今後も卒業研究の発表など、研究内容を他分野の研究をしている方に発表する機会はたくさんあります。その時にはより納得できる発表ができるよう、2人とも頑張ってください。