2017年5月30日火曜日

太田さんが文献紹介を行いました

 腸内細菌共生機構学講座では、学術論文を読み、研究室のメンバーにプレゼンテーションを行う「文献紹介」をおよそ2週間に1回の頻度で行っています。
 今日は、2017年度に入り二回目の文献紹介が行われ、修士1年生の太田さんが「The Fumarate Reductase of Bacteroides thetaiotaomicron, unlike That of Escherichia coli, Is Configured so that It Does Not Generate Reactive Oxygen Species.」を紹介しました。


プレゼンテーション中の太田さん

 生体内で起こる様々な酸化還元反応で電子が発生しますが、電子が発生する場所の近くに分子酸素が存在すると、活性酸素種が発生してしまいます。活性酸素種はDNAに損傷を与えるなどして生体に様々な悪影響を与えますが、好気条件でもよく生育する大腸菌などの細菌では活性酸素種に対する防御機構が発達しています。一方、ヒトの腸内で8番目に多いことが報告されているBacteroides thetaiotaomicronは嫌気性の細菌で、通常の酸素濃度で培養した場合は生育がストップしてしまうことから、その活性酸素種に対する防御機構は、あまり強くないことが予想され、活性酸素種そのものを増加させない仕組みを細胞内に持っている可能性が考えられました。
 この論文では、Bacteroides thetaiotaomicronが嫌気性の腸内でエネルギーを得るために行っている嫌気呼吸に使われている重要な酵素である「フマル酸レダクターゼ」は、大腸菌のフマル酸レダクターゼと違って、活性酸素種を発生させないような仕組みを持つことが説明されていました。
 フマル酸レダクターゼが活性酸素種を出さないことはわかったのですが、Bacteroides thetaiotaomicronはかなり活性酸素種を出すことも示されており、これが何に由来するかは示されておらず、少し不満の残る論文でした。

 来週は私・平野が文献紹介を行う予定なので、準備を進めていきたいと思います。
【平野】


2017年5月23日火曜日

4年生の藤澤友貴君が母校である北海道稚内高等学校で教育実習を行いました

 5月8日~5月19日までの2週間、学部4年生の藤澤友貴君が母校である北海道稚内高等学校で教育実習を行いました。教育実習では1年生~3年生までの生物の授業を担当したそうです。
 授業の準備段階では板書の色を見やすい黄色やオレンジを使用するように、授業中も生徒一人一人の顔を見て理解できているかを確認しながら話をするように気を付け、さらには分子模型を使って説明するなど生徒に良く理解してもらえるように工夫をしたそうです。
 教育実習中には高校の担当教員の先生と大学での指導教員である栗原先生が授業を見学し、授業内容について話し合いを行う研究授業というものがあったそうです。この時は授業を行う前の生徒指導案を考える時からより一層緊張しましたと話をしていました。
 実習の最終日には生徒から「もう帰っちゃうの」と別れを惜しまれ、さらには高校の教員の方々から花束【画像1】をいただきとてもうれしかったと話をしていました。


北海道稚内高等学校の教員の方々から頂いた花束


 2週間の教育実習たいへんお疲れさまでした。
【前田】

2017年5月16日火曜日

 2017年3月28日のブログで前田君が趣味について触れていましたが、最近の私の趣味は「魚」です。市場で様々な魚介類を見たり、買ったりして楽しんでいます。
 先日、金沢港いきいき魚市に行きました。金沢港いきいき魚市にはその日の朝、石川県の海でとれた魚を数多く取り揃えていて、見ているだけでワクワクしました。


いきいき魚市の魚


 私はそれらの魚のうち、フクラギ(イナダやハマチとも呼ばれます)、アカイカ、ハタハタ、そして今年初物のトビウオを購入しました。帰宅後購入した魚を自分で捌いてトビウオをお昼に、フクラギを夜ごはんに食べました。




トビウオのお刺身


フクラギのお刺身


 この経験を通して、自分が選んだ好きな魚を自分で捌いて食べることが出来ることに充実感を感じることが出来ました。しかし、魚の調理に関して、刺身に切り分ける技術はまだまだ経験が必要だと感じたため、今後も様々な魚介にチャレンジしたいと考えています。研究の傍ら、石川県を知り、楽しみたいと思います。

【太田】


2017年5月9日火曜日

修士1年の平野が日本農芸化学会2017年度大会においてトピックス賞を受賞しました

 私・平野(修士1年)が日本農芸化学会2017年度大会で、「プロバイオティクス細菌を特異的に増殖させる次世代型プレバイオティクス・ガラクトシル-β-1,4-ラムノースの開発と偽膜性腸炎原因菌Clostridium difficileの生育抑制」という演題で口頭発表を行い、「トピックス賞」を頂きました。この研究は国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構の北岡本光先生、新潟大学農学部食品糖質科学研究室の中井博之先生のグループとの共同研究です。

共同発表者の栗原先生並びに阪中先生と平野

2017年度大会トピックス賞賞状

 トピックス賞は、日本農芸化学会広報委員会並びに2017年度大会プログラム委員会により社会的インパクト、農芸化学らしさ、科学的レベルなどの観点から選定されるとのことです。
 私は、本大会での発表が学外における初めての発表であり、緊張しましたが、学外の方から様々な質問や意見を頂くことが出来、非常に良い経験をさせて頂きました。共同研究者の先生方に感謝いたします。
 今後も、さらによい研究成果を出していけるように努めていきたいと思います。
【平野】